桜通り歯科便り#7

健康と口との関係

1.歯周病

2001年ギネスブックに『全世界で最も蔓延している病気は歯周病である。地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない』と記されました。歯周病は人類史上最大の感染症。地球的規模で蔓延しているということをあらわしています。

歯周病の原因

歯周病の原因として考えられている常在菌と言われる細菌の種類と数のバランスによって口腔内の健康は保たれていて、「口腔内細菌バランスの崩壊」の一番の原因は口腔内の出血が引き金となっています。

歯周組織の免疫=細菌のバイオフィルム → 弱くなった歯周組織〈 病原性が高くなったバイオフィルム

1998年にForsyth Dental Center(Boston)のグループが歯周細菌種のバイオフィルム細菌を5つのグループに色分けしている。Yellow,Green,Orange,Purple,Red後にBlueが付け加えられている。歯周病の主役ともいえる強毒性を持つP.gingivalisはRedに指定されている。P.gingivalisは思春期以降に口の中に住み着くと考えられています。

結論から言えばRed歯周病菌を駆逐することは無理です。Redの菌数を減らして悪さをしないように抑え込むことしかできません。なぜRed歯周病菌を駆逐できないかというとこの細菌の特徴として歯肉上皮細胞の中に入り込み強力な細胞傷害性を発揮するからです。細胞内外を往来して生きながらえ、増殖、感染を続けるのです。厄介な細菌なのです。

P.gingivalis(強毒性をもつ歯周病菌)の感染経路
  • 直接感染 ディープキス、口移し
  • 関節感染 食べ物についた唾液、食事道具についた唾液、直箸

P.gingivalisは赤血球ヘモグロビンのヘミン鉄が必須栄養素。
→ヘミン鉄がないと増殖困難・低病原性。
→歯周病は起こせない。

歯肉に炎症があり、歯周ポケットの上皮が剥がれると潰瘍ができて出血します。血液中に含まれる鉄分とタンパク質を栄養素として歯周病菌は増加していきます。

増殖したP.gingivalisが歯周組織の免疫を抑制して、自身も、他のバイオフィルム細菌をも増殖させていきます。

サイトカイン

サイトカインとは情報伝達物質で免疫細胞が動きだすシグナルで、主に「分化・増殖・細胞死・創傷治癒」などに関係する物質です。分泌する目的によって性質が変化し、要するに細胞を動かすための鍵みたいなものです。

本来サイトカインは歯周病から体を守るために産出されますが、大量に産生されすぎることで逆に自信を破壊するようになり、その状態が血流に乗って全身へ運ばれていくと運ばれた全身の多部位で問題を引き起こします。また歯周病菌自体も歯周ポケット内の潰瘍面に露出された毛細血管から血流に侵入し、全身へと運ばれていきます。

全身で歯周病菌が関与している報告のある疾患
誤嚥性肺炎/低体重児。早産/骨粗鬆症/がん(肺がんを除く)/慢性関節リウマチ/アルツハイマー病/脳血管疾患/心血管疾患/糖尿病/パージャー病/掌蹠膿疱症/慢性腎疾患

上述した疾患は歯周組織からのサイトカインと菌血症の可能性があります。

歯周治療の目的は「出血を止め、栄養源となる鉄分とタンパク質の供給をストップすることで、歯周病菌の増殖を抑制することです。

2口呼吸/慢性上咽頭炎

口腔と咽頭

三代病巣感染として歯性病巣感染/扁桃病巣感染/慢性上咽頭炎があります。共通して関与する問題点は口呼吸です。

口呼吸は粘膜の乾燥を引き起こし、微生物、埃が直接体に入ることで炎症が引き起こされ、呼吸・咽頭・口腔は密接な関係にあります。

口呼吸には舌の位置が大きく関わると言われます。

それは下顎の位置が後方に位置して舌が気道を圧迫、塞ぐ形になる場合、口を開き気道を拡げる形態をとるということ。

噛み合わせが悪く、歯の並びが悪く、舌の収まりに、位置に動きに影響を及ぼしているということ。

舌の筋力の低下、肥大などにより気道が圧迫、閉塞されているということからが考えられています。

もちろん口呼吸が起こる可能性としては鼻、咽頭に問題があり、鼻呼吸に問題があるという場合は考えられます。なので耳鼻咽喉科との連携は欠かせられないものです。

慢性上咽頭炎が関与しうる疾患

直接症状
→咽頭違和感、後鼻漏、咳喘息、痰、首・肩こり、頭痛、耳鳴り、舌痛、歯の知覚過敏、多歯痛、顎関節痛など。

上咽頭、大脳辺縁系相関を介した症状
→全身倦怠感、めまい、睡眠障害(不眠・過眠)、起立性調節障害、記憶力・集中力の低下、過敏性腸症候群(下痢、腹痛など)、機能性胃腸症(胃もたれ、胃痛など)、むずむず脚症候群、慢性疲労症候群、繊維筋痛症など

病巣炎症として免疫を介した二次疾患
→Iga腎症、ネフローゼ症候群、関節炎、胸鎖肋骨過形成症、掌蹠膿疱症、乾癬、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎など

ニュージーランド、スウェーデン、カナダなど世界各国の血液透析患者、対象数4205人の調査結果として「歯の状態を始め口の状態の悪い血液透析患者は短命で、口腔ケアは血液透析患者の生命予後を改善する」という報告があります。

歯があるかどうか/う蝕があるかどうか/デンタルフロスの使用有無/が重要なポイントになると述べられており、口腔ケアがいかに全身疾患の予防、健康の維持に重要かということですね。

なかなか虫歯の治療と違い、症状が感じられなかったり、日々のことであったりしますので治療の重要性を感じることが難しいですが、重要なことなのでみなさん口腔ケアには気を配っていきましょう。

P.gingivalisの有無の検査はできますので、気になる方は他の歯周病菌も含めて検査をすることをお勧めします。

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院長日記

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