噛み合わせとパフォーマンス-その2

2.アスリートに噛み合わせの調整を行っている実例。

その1の続きです

噛み合わせとパフォーマンス-その2-1

川口雄介選手

総合格闘技DEEP元メガトン級チャンピオン/プロレスラー

初診時は口が指1本半くらいしか口が開かず、唾液が出ない、首の可動域が狭い、全体的に身体の不調感を訴えているという状態(真ん中の写真)でした。2週間に一度の噛み合わせの調整を4回行ったのが右のレントゲン写真(顔の長さが短くなっているのは初診時の方が少し顎を引いた姿勢をとっているため)です。

両目、鼻が左に引っ張られて、なにより第一頚椎の位置が鼻の右にずれて写り込んでいたのが調整後は真ん中に揃ってきているのがわかると思います。

口は指三本分、大きく開口できるようになり、唾液も戻って来ました。

首の回旋は、可動域も運動も本人がこんなに動くのかと驚くほどの変化が現れました。

パンチも伸びるようになり、なにより本人曰くキックがかなり出やすくなったとのことです。

現在は2ヶ月に一度ほど、また試合前に合わせて調整をおこなっています。

まだ調整の余地あり。

噛み合わせとパフォーマンス-その2-2

釜谷真選手

総合格闘技

トレーナーから技術、筋トレ指導、メンテナンス、様々施しても右パンチの動き(左回旋の動き(身体操作)がうまくいかないということで調整を依頼されました。

本人の感じている症状は疲れてくるとすぐ右の首の後ろから肩にかけて張りを感じるくらいのもので他に大きい問題は抱えていませんでした。

真ん中のレントゲン写真が初診時のものですが、首も頭蓋骨も右に引っ張られるようにずれているのがわかります(鼻筋に注目するとわかりやすい)。1週間に一度の噛み合わせの調整を4回行ったのが右端のレントゲン写真です。右に引っ張られていた緊張がだいぶとれて頭蓋骨の歪みもすくなくなっています。

4回の調整を終えてからも一月に一度はチェックと調整に来ています。食べ方や寝方、

生活習慣の中での癖に対しての指導をおこない、併せて注意してもらっています。

本人が明らかに身体の変化を感じ取れているのもありますが、元来まじめな選手で、パフォーマンスを向上させることに貪欲で、指導に対して素直に取り組んでくれる、そういうケースはやはり成果が出やすいと思います。

現在は首の傾きもかなり改善され、右パンチもしっかりと打てるようになり、トレーナーからも劇的に良くなったと報告をいただいています。

アスリートの場合歯を大幅に削って冠を入れるとか、矯正やインプラントなど大げさな変化をもたらす治療プランを組むことはなかなか難しいと思います。

それは毎日パフォーマンスを発揮し続けなければならない中に、力の入らないような状態や痛みを伴う状態、バランスを崩す状態を作るわけにはいかないからです。

それがオフの時期であったり、ケガのリハビリの時期であったりすれば別ですが、例えば客観的に見ていてテニスの錦織選手も噛み合わせが悪く、歯科医師ならばそれを感じたことある先生は多々おられると思いますが、なかなかあれだけ主要な大会が続き、激闘の連続する最中に変化をもたらす治療は難しいでしょう。

それくらいアスリートの歯を触ることには勇気がいります。

私が行っている噛み合わせの調整は頭蓋骨と頚椎のレントゲン写真から歪みを読み、筋肉の過緊張をとり、パフォーマンスの向上につながるように調子を崩す余分な噛み合わせのポイントを特定して最小限の量を削り、変化を促します。痛みは全くありません。しかし、身体への変化は起きますので、バランスの変化が気になる方は時間に余裕がある時に行うべきでしょう。

ちなみに前にご紹介した二人、川口選手と釜谷選手は試合前直前にチェックと調整を行います。釜谷選手の場合は試合の二日前と決めて来られます。それは調整後二日目が調子が良いからという本人の感覚と経験に基づいたものです。

では噛み合わせがどのように身体へ影響を及ぼすかを簡単に述べ、アスリートにどのような点で重要になってくるかを説明していきます。

そして今回送らせて頂く選手個別の問題点を書きます。

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