歯磨きのしかた

歯磨きのしかた

歯磨き

私が学生の時といえば“十年一昔”というのでもう大昔の話になりますが、その頃は歯磨きのしかたも『ご飯でも、おやつでも、食べ終わったらすぐ歯磨きをする。歯磨き粉は歯ブラシの毛束の三分の一くらいのごく少量をつけて磨き、しっかりとゆすぎましょう』という感じでしたが、今の時代は少々違ってきています。『食後30分は歯は磨かないほうが良い』そんな話を聞いたことがある人もいるかと思います。これはアメリカの実験データから言われ始めたことで、サイダーやコーラなどの酸性の飲み物を飲んだ場合、口の中が酸性になり、通常よりも歯が傷つきやすい状態になっているので、唾液によって中和されるのを待ってから、歯磨きをするのが良いというお話です。それを食後は口の中が酸性に傾くので...と言っているわけですね。どうなんでしょうか...?

私の考えですが30分何もしなく唾液の中和だのみにするならば、口の中に残る食べかすの掃除や、酸性になってしまっている歯の表面の中和の意味も兼ねて、食後早々とお口をゆすいではいかがでしょう。ゆすげなければ、お水を口に含み、飲み込んでも構わないと思います。虫歯の原因は食べかすなどの糖質が細菌により分解され酸がつくりだされ、その結果歯が溶け出すというのが基本です。食事により、食後のお口の中の酸性濃度や、中和する唾液量、唾液の質、エナメル質の硬度、質、個人により、条件がまったく違うので、食べ終わって食べかすが残るまま、あえて30分待たなくてはと時間を過ごすことが良いとすることには疑問です。できるだけ早く水でうがいをして、酸性になっている状態を中和させる。もしくは水を含んで飲む。あるいは、うがいは洗口剤とかでも良いと思います。そして速やかに歯磨きをする。その方が、食後の酸性問題は解決されると思います。次に歯磨き粉の話に変わりますが、市販の歯磨き粉には清掃した気にさせる発泡成分と、すっきりした気にさせるミントの味付けなどの清涼感を与える成分がたくさん入っていて、歯磨きが雑になり、本人はしっかりと磨いている意識でも、実は磨き残しがたくさんあるという事態を招く。という理由で、それではダメだから、一回の歯磨きに使用する歯磨き粉の量は少なくしましょう。という話になるのです。歯磨き粉はつかわなくてもいいのか?と質問されることがあります。使わなくても構いません。それは先にも書きましたが、虫歯の原因は細菌が酸をつくりだすことで、歯磨きをおこなう理由は、その細菌の餌となる糖質の除去と、酸をつくりだす細菌、歯周病菌自体を取り除くことにあります。なので歯磨き粉があろうとなかろうと、しっかりと清掃ができていれば問題はありません。最近の推奨されている歯磨きのしかたは“歯磨き粉はたっぷりとつけて磨きましょう”ということになっています。私の教えられた磨きかたとは真逆の話になっているのですが、どうしてこういうことになるのかというと、歯磨き粉に含まれている内容成分が昔と比べ格段に良くなっているからです。市販の歯磨き粉の中にあるかどうかはわかりませんが、歯科医院で売っている歯磨き粉は発泡作用の抑えられたものがほぼです。発泡作用が抑えられている理由は、磨いた気になってしまうことへの対策だけではありません。

殺菌効力であったり、歯周病対策であったり、知覚過敏対策であったり、歯の表面の再石灰化効果、フッ素などによる歯の強化、ホワイトニング効果、良くなっている内容成分の効果を期待する時間を長くとるために、歯磨きをした後のうがいは少しの水で適当に行います。それが今推奨されている歯磨き後のうがいのしかたです。内容成分を口の中に残して長い時間効果を期待するというわけです。時代とともに随分と推奨される磨きかたも変わるものです。なので、私が推奨する歯の磨きかたは食事をする→酸性になった歯の表面を中和して、細菌の餌になる食べかすを流すため、速やかに水でうがいをする。もしくは水を口に含み、飲む。内容成分に期待ができるので、その際のうがいは洗口剤を用いても構いません→発泡作用の少ない歯磨き粉をたっぷりとつけて歯を磨く(30分待ったりはしません)、しっかりと磨いた後のうがいはてきとうに、口腔内に成分が残っている状態で、デンタルフロスや歯間ブラシを使用する。洗口剤は内容成分に期待して歯磨きの後ではなく前のほうが良いのではないでしょうか。どうか参考にしてみてください。

歯磨き

一般歯科のページへ戻る



院長日記

診療科目

診療時間

 最終受付はそれぞれ12時、18時となっております。また18時半~19時に噛み合わせ相談は承ります。

休診日  土曜・日曜・祝日

  • お待たせすることが無いよう予約制とさせていただいております。お電話にて症状とご都合をお聞かせください。
  • 急患随時受付