歯周病は予防が最善で絶対の策

患わないことがいかに大切かについて-その3

その2の続きです

歯周炎・歯周病の治療でかかわることが多いのは衛生士さんです。

そのかかわりのなかで清掃指導はもっとも大切でしょう。

いかに歯石をきれいにとって、歯肉の炎症をとって、治してあげようと気持ちを込めても、患者さんの毎日の清掃がうまくいかなければ、なかなか成果は現れてきません。
痛みをともなう虫歯の治療のように進行した状態での治療ではなく、予防要素が高い治療となるだけに、必要性が伝わりづらく、治療途中でキャンセルが入るようになり、来院すらしてもらえない…。
それではいかに重要な治療を施していても、意味がなくなってしまいます。

歯をまったく磨かない人は少ないでしょう。
みなさん自分なりに必要量と思う時間歯を磨かれています。
なので染め出して実際に見せてあげるのはいいでしょう。
『百聞は一見にしかず』です。
染め出したほうが自分も清掃し残しをしない。という利点もあります。
必要ない動きも少なくなります。

患わないことがいかに大切かについて-その3-1

一人一人、口の中の状況やモチベーション、生活習慣、環境、必要とする情報は違いますから、しっかりとコミュニケーションをとり、清掃指導。清掃の大切さを伝えていかなければなりません。

一生懸命清掃指導をして、着色、歯垢、歯石をとり、クリーニングをがんばり、それでも進行がとまらない。そういう状況が診られるならすこし手を止めましょう。
以前書いたように、歯周に炎症をもたらすのは細菌が原因ばかりではありません。
噛み合わせからの外傷がそこにあり、症状が治癒しないならば、細菌へのアプローチだけでは改善しきらなくても当然です。
自分で背負い込み過ぎてもいけません。速やかに、その可能性を歯科医師に報告するべきです。

患わないことがいかに大切かについて-その3-2
患わないことがいかに大切かについて-その3-3
患わないことがいかに大切かについて-その3-4
患わないことがいかに大切かについて-その3-5

細菌が原因であれば、口の中はつながっているので全体的に症状があらわれます。
歯周病の中には特徴的に症状が現れやすい歯があるのは事実ですが、上のレントゲン写真のようにそこだけに垂直的に骨欠損が診られるならば、その部位の噛み合わせは悪いことが予測されます。噛み合わせからの打撲が原因の可能性はあるでしょう。

犬歯の噛み合わせを診て、噛み合わせがなければ、その人の奥歯は噛み合わせによる負担が大きい人です。奥歯の状態が改善されなければ、すみやかに歯科医師と治療プランについて相談してください。

犬歯が両側とも噛み合わせのない人もいます。片側だけ噛み合わせのない人もいます。
噛み合わせのない側の奥歯は調子が悪い可能性が高いです。
もしくは、被せや詰め物、ブリッジが入っていたり、奥歯がもうすでになかったり…。
その状態から引き目で見てみると、上下の歯の正中は犬歯の噛み合わせのない側にずれてないでしょうか?
もう少し引いて見たら、犬歯の噛み合わせのない側の口角が上がっていませんか?
もう少し引いて見たら、犬歯の噛み合わせのない側の目の高さが低く、小さく、顔は歪んでいませんか?
チェアーに座っていただいき、患者さんを寝させた時、犬歯の噛み合わせのない側の足のつま先が外に開いていませんか?

『木を見て森を見ず』『歯を見て全身を見ず』

『細菌を見て、噛み合わせをみず』

患者さんの治癒を願うならば、いろいろな可能性をもって診ましょう。

歯周治療後の改善がいまひとつなければ、噛み合わせからのダメージがある可能性があります。
速やかに歯科医師と相談しましょう。

その4に続きます

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院長日記

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