桜通り歯科コラム
噛み合わせ最前線

精神的症状について-その1

精神的症状について-その1-1

これも、噛み合わせとの関連として、歯科領域で統一され認識されていません。

精神的な症状としては、うつ症状やイライラする、集中力が続かないというのが多い症状でしょう。

最近多いのが、“うつ”症状でしょう。これも、厳密には、うつ病なのか、抑うつ症状なのか? はっきりしていない場合が多いです。この分野に関しては専門ではないので、あまり安易なことはかけませんが、そもそもうつの分類も、症状からのもの、成因からの分類、成因的にも、仮説の域を出ないようです。患者さんが訴えるのは、“うつです”ということなので、自己判断だったり、厳密にうつ病と診断されていなかったり、断定される確実な検査もなく簡単にうつ病だといわれていたり。

精神的症状について-その1-2

いづれにしても、うつ症状あるいは抑うつ状態は、心因性でも、脳を含めた器質的疾患からも起こるものなので、もちろん噛み合わせからのみ起こるわけではありません。ですが、ここでも前回の不定愁訴同様、噛み合わせを原因や、助長因子の1つとして考えるかどうか? ということが重要です。

あくまでも仮説・可能性ですが、少なくとも私の臨床の中では関係があり、世界的に見れば臨床レポートはあります。

今までのところ、うつ症状のある患者さんは噛み合せの治療で、その症状がずいぶん改善されています。数としてすごく多いというわけではありませんし、うつがひどい人は、歯科治療に来ていないのかもしれません。初診で来られる際介助が必要な方もおられました、話を伺えば、家ではほとんど寝たきりでいると。うつ症状の強い患者さん、ほとんど家から出れない状態や、めまいなどの症状も伴っているので、ほとんど動けない人、会話もスムーズにできない人など。ですが、本当に数は少ないですが、そのような患者さんはより注意して(噛み合わせが原因ではなかったり、歯科治療が優先されないのかも)診療をしていますが、噛み合せの調整のたびに、症状には変化がみられ、どんどん動けるようになり、会話がスムーズになり、(かかる時間はまちまちですが)ゆっくりとではあっても別人のようになっていきます。

精神的症状について-その1-3

メカニズムを考えると、

  • 脳血流量の低下
  • 自律神経への刺激
  • 歯牙接触からの脳へのストレス信号
  • 歯科的問題・症状に対する精神的ストレス
などでしょうか。

脳血流量に関しては、今まで説明したように、噛み合わせによる、特に首の周り(特に首の後ろ)の筋肉の硬直により、血流が減少し、軽ければ、“頭がボーっとする”と表現する方が多いですが、集中できなかったり、イライラしたり、ひどいと、うつ症状になっているようです。これは、噛み合せの調整(神経学的コントロール)で、歯の感覚を変えると、瞬時に筋肉が緩み、症状が消えることで確認できます(医学・科学的には脳の反応を通して調べなければならないと思いますが)。

最近の論文発表で、うつ病の原因は側坐核(やる気スイッチとか言われたりする、活性化するとポジティブな気分にさせてくれる場所)という前脳前野にある神経の集合体で、ストレスホルモン(糖質コルチコイド)が幸せホルモン(ドーパミン)と幸せホルモンを増産させるホルモン(CRP)の間に割って入り、即座核が活性化しないようにしてしまうことに原因があるとしています。それは長く脳がストレスを受けると起きる現象ですが、ストレスを受けている際、脳血流量は下がっています。噛み合わせがわるいと頭蓋骨は歪みますから、脳血流量に変化が起きます。ここはかなり重要なポイントだと思いますので、また深く掘り下げて書こうと思います。

自律神経への刺激は、頚椎等のズレ、歪みで、物理的に刺激することも考えられますし、,自律神経の中枢である脳幹が頸椎と頭蓋骨の境界にあるので、噛み合わせからの頭蓋骨の歪み、頸椎の歪みのひずみが影響としてあるのではないかと考えたりもします。間接的に分布する器官等が、噛み合わせからの症状があれば、そこからの影響として乱れることだって考えられます。

精神的症状について-その1-4

歯牙接触の問題は、噛み合せの悪い接触は、脳ではストレスとして認識されているようです(これも研究が必要)。これも、臨床的に悪い咬合接触を調整すると、気分的に落ち着いてくることがよくありますし、たまに、逆に“個々のこの当たりがイライラする”、と自分で訴える患者さんもいます。

歯科的問題・症状に対する精神的ストレスに関しては、自分の口の中の状態を悲観したり、治療できない、治らない、という諦めから、うつ状態になっている場合があります。もっとも、噛み合わせ等も、そのような状態なので、上記のようなメカニズムと重なって、過剰に症状として出ている可能性もあるでしょう。

少なくとも、噛み合わせからの影響が、解剖学的、生理学的に考えても、あることは間違いないと思います。あくまでも影響ですが。

その2に続きます

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