桜通り歯科コラム
噛み合わせ最前線

精神的症状について-その2

その1の続きです

精神的症状について-その2-1

顎関節はほとんど回転のみの運動はしないことについて書きます。

専門的な内容ですが、知っていて損はないので(歯:被せ物等を作る時に重要です)、できるだけ分かりやすく説明します。

精神的症状について-その2-2

顎関節は、“蝶つがい”のような動きをする、というのは、なんとなくイメージできると思います。でも実際は、そうではありません。

専門的には、少し口を開けるところまでは、関節が回転運動をして、下顎は蝶つがいのような動きをします。そこからさらに口を開けると、関節の頭が関節窩(くぼみ)からはずれて、滑走します。解剖学的には関節がはずれた状態です。これは、全身のすべての関節の中で唯一、顎関節でしかみられません。口を開け閉めしたときに、耳の前のところが、ボコッと出っ張るのがそれです。耳の穴に指を入れて口を開け閉めしても、関節の頭の動きが触れます(右図参照)。

精神的症状について-その2-3

ですが、これも違うようです! 歯科医学的に統一された見解は、上記のようですが、実際調べてみると、ほとんど回転のみの運動はしていません。理論的には Dr Casey Guzay による、回転中心が第一頚椎直下にあるとした、“The Quandrant Theorem”という理論があります。理論的に正常値としては正しそうです。自分の臨床で調べてみても、実際治療をしていても、顎関節が純粋に回転運動をすることはないようです。唯一、顎が後方にズレて、はまり込んでいる場合や、ゆるくなった関節で、寝たまま開け閉めすると、回転運動する場合があります。

顎関節は、回転のみの運動はせず、初めから(開口の)、回転と滑走同時に起こる。

精神的症状について-その2-4

右図のグラフは、咀嚼中の関節の動きを表しているのですが、簡単に見て、全ての線が左の縦のライン(移動量)から出ています。下の線(回転角)から出ている線は一つもありません(無理やりな説明ですが)。もし、回転のみの動きをするなら、移動量(縦の線)が0で、回転角(横の線)が0以上出なければなりません。簡単に言うと、このグラフが縦と横逆なら、従来の理論が正しいということです。(この機械は自体は、アメリカで臨床上意味がないとされ、日本で多く使われることにクレームが出ています。いずれ詳しく説明します。ただ、研究するには少し使えますが、治療では意味ありません)

顎関節が回転のみの運動はしない。これがポイントになるのは、被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)を作るときに、あるいは、歯型の模型で診断するときに使う機械を“咬合器”というのですが、これが、前回説明した、回転のみの運動から滑走運動する(現在統一されて認識されている理論)仕組みで作られているからです。全ての被せ物はこの咬合器に歯型の模型を付着し、作ります。

精神的症状について-その2-5

簡単に言うと、咬合器は人間の顎関節の動きを正確に再現できません。

つまり、咬合器上では、人間の口腔内に完全に調和した被せ物を作ることは不可能ということです。

精密にミクロン単位で調整しようとすればするほど、誤差が正確に出てしまいます。

しかも、咬合器が顎の動きを再現するために、歯型の模型をフェイスボウ・トランスファーという器具と方法で(耳に器具を入れ歯形と一緒に記録する)、歯型の位置と関節の位置を咬合器上に移すのですが、これも耳で関節の位置を想定するので、頭蓋骨が歪むなら、耳(側頭骨)の位置も変化するので、そもそも咬合器上の歯型の位置から狂っているのです。これに関してもいずれ詳しく説明します。

精神的症状について-その2-6

そして、咬合器上で高さを変更することがあるのですが(私はしません)。これも、機械の性質上回転運動になるので、高さを変えた瞬間に、すでに口腔内では存在しない位置になります。また、歯を噛ませないで噛み合わせをとり、その噛み合わせで模型を咬合器に付け、そこで初めて、咬合器上で噛ませて、診査・診断をする方法があるのですが、これもまったく実際と違う位置で診査・診断しているので、意味がありません。

でも、僕も咬合器は使います。ではどの様に使うのか?

精神的症状について-その2-7

まず、咬合器が顎関節の動きを完璧には再現できない、ということを認識しながら、便宜上、最大限咬合機上で作り上げます。そして、出来上がった被せ物等は、完璧ではないとを認識しながら、最終的には口腔内で調整します。フェイスボウ・トランスファーは使いません。目で見て咬合器の真ん中に付ければいいのです。いい加減に聞こえるかも知れませんが、それのほうが、フェイスボウを信用して使うより誤差が少ないのです。いずれにしても完璧な位置には付着できないというか、咬合器上には存在しないからです。世界のトップクラスのドクターに聞くと、みんなそんな感じでやっています。これも、正確にやろうとすればするほど、いやおうなしに誤差が見えてきて、気づくのでしょう。逆に、従来信じられている理論と方法で行うと、いろいろな途中のチェックする方法も(リマウントなど:でもこれも違う方法があります)あるのですが、それをやればやるほど、チェックし、誤差をなくす方法なのに、誤差がどんどん出てくるので、普通の歯科医がどのように治療しているのかまったく分かりません。それがわからないほど、初めから誤差だらけでやっているのか、誤差があっても、自分のミスと認識して補正してしますのか(無理ですが)?

違う見方をすると、どんなに治療や機械が進歩しても、今のところクラウンやインレーを各個人の口腔内に調和させて入れるのは、最終的にはアナログです。歯科医の手で合わせなければならないのです。これにもさらに、いろいろな基準や理論が必要です。

その3に続きます

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