アスリートの噛み合わせと今後-その3

その2の続きです

(3)レントゲン写真診断の必要性

頭蓋・頸部筋肉の状態変化は随時治療の前後、治療中に確認し、短期的変化を診ながら、初診時の診査で得た頭蓋骨、頚椎のレントゲン写真、口腔内模型、その他の情報より長期的変化の予測の元に立てた仮診断と照らし合わせながら、精査を幾度か行います。変化があるものに対して現在一般的に正しいとされているトップダウントリートメント(初診の状態で治療のゴールまでの計画をたててしまう考え)はあり得ません。誰一人として同様の歪みがないことから、変化に対応する再診査は治療の流れの中で幾度も必要です。そうでなければ不必要に歯を削る、抜く、などのオーバートリートメントの被害が生まれてしまいます。視診、触診、運動観察などからの判断基準も必要ですが、レントゲン写真を用いて、骨レベルでの詳細で明確な診断と比較すればどれも取得できる情報の正確性が曖昧と言わざるを得ません。もちろん三次元的に診断のできるCT,MRI診査が重ねてできるならば尚のこと良いでしょう。頭蓋骨、頚椎の状態だけをとってみても、状態、状況に一つとして同じものはありません。

アスリートの噛み合わせと今後-その3_1

私はカイロプラクティックの先生と知識交換を行い、治療に関してもデータを患者本人の承認の元、共有してお互いの治療に反映させています。

カイロプラクティック、オステオパシーはアメリカではドクターライセンスの一つです。ライセンス取得者はドクターとしてレントゲン写真、CT、MRIを撮影、撮影依頼をすることができます。日本では医師とはされていません。接骨師や整体師と同様に治療家として位置づけられますので、撮影は許されません。視診、触診、運動観察・検査などにより情報を得るより他ありません。しかしながら行われている施術は健康や命に直結する脳脊髄のある頭蓋骨、脊椎、その他全身の重要な器官を触ります。レントゲン写真がないので状態に対して明確な詳細は知り得ません。椎間の状態を知ることはできません、どの程度の捻じれ、傾きが、どの位置に存在しているのかを明確に知ることはできません。レントゲン写真なら映る可能性のある動脈瘤やヘルニアの程度を知ることはできません。

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日本でも医師として、診断、治療内容に責任感をより一層強めるのがベストですが、少なくとも治療家のすべての方々がレントゲン写真の読影能力を身につけ、撮影、撮影依頼が可能で、レントゲン写真による診断を義務付ける必要があります。治療家の方々の持つ情報は医療にとって有意義なものが多くあります。しかしながら、医科、歯科との連携が潤滑にできているとは言い難く、そのため、情報が検証される機会を得ることも少なく、結果として感覚に頼る施術が多く行われているのが実情です。その他にも抱える問題は多くあります。

施術が身体に良悪関係なく、身体に影響を及ぼす医療範疇であるものには、最低限度レントゲン写真を通じて明確な情報を取得し、医科、歯科と連携を図ることが医療水準を引き上げることに繋がると考えます。

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院長日記

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