桜通り歯科コラム
噛み合わせ最前線

精神的症状について-その4

その3の続きです

今回は、理論的理想咬合と治療咬合 についてです。

前に説明したように、治療咬合とは歯科医師が治療のために確立する咬合ですが、大きくみると各個人の生理的許容範囲内の噛み合わせを確立することです。

精神的症状について-その4-1

では、具体的には?

その基準として、理論的理想咬合はあります。専門的には、いくつかの咬合理論があり、咬合様式もありますが、理論的に考えると、Canine discclusion :犬歯誘導による臼歯部の離開咬合が、物理的、解剖学的、生理学的に、最も理想的でしょう。簡単に言うと、噛んだまま顎を横にズラした時に、上下の犬歯に誘導(ガイド)され、奥歯が開いて引っかからない形です。

精神的症状について-その4-2

奥歯が引っかからない、というだけで良さそうな感じがしますよね。もう少し専門的にいうと、ものを咀嚼するとき、人間は唯一片方だけで噛むのですが、真っ直ぐかんでいるのではありません。雨だれ型のように噛みます。

このとき、ずれた位置で噛めてしまったら、奥歯は倒されてしまいます。奥歯は、真っ直ぐな力(生えている方向)には絶えられるのですが、倒される力には弱いです。ですから横にずれた位置から真ん中に噛んできて(曲線的に斜めに)、最終的に真ん中に来たときにだけ奥歯が噛めば、上述のように、奥歯に負担がかかりません。そして、この斜めに閉じてくる角度は、犬歯の角度で決定されます。

ですから、犬歯の角度が最も重要です(重要ではないものは何もないのですが)。犬歯の角度だけで、全ての奥歯が引っかかるかどうか?が決まってしまうのです。たとえば、いわゆる八重歯は最悪です。この、角度を決める犬歯が上に飛び出していて、まったく当たらないので、噛む角度が決まらない! しいて言うなら、奥歯の引っかかった角度しか物理的には角度の要素がないのです。あるいは、“犬歯一本を治療するということは(噛み合わせが関わる治療)、全ての歯を治すことと同じ”と言われます。

言い方を変えると、犬歯が奥歯を守っている、ということです。

もう少し細かく言うと、実際は、生理的な噛み合わせが確立した状態では、咀嚼時に、犬歯は当たっていません。物理的にガイドして、噛む角度を誘導してはいません。犬歯の角度を脳が覚えて、犬歯が当たらなくても、その角度で噛めます。同じ角度で、犬歯が当たるスレスレで噛む軌道ができています。この軌道のサイクルを、“チューイング・サイクル(咀嚼サイクル、チューイング・パターン)と言います。ゴルフのスイングのように、このチューイング・パターンが脳で記憶されると、犬歯も奥歯も引っかからず、擦れ合わず、無意識でスムーズに噛め、歯がほとんど磨り減りません。厳密には、食べるものによって、噛む段階によって、そのサイクルは変化していますが。

逆に、悪い噛み合せの場合は、この噛む角度の情報が、犬歯だけでなく引っかかっている奥歯などから脳に伝わるので(歯が神経系によるセンサーとなって、常に情報を送っていることで、チューイング・パターンが維持される)、脳から筋肉に伝わる情報が混乱するので、筋肉が硬直し、統一された角度の情報がないので、チューイング・パターンが確立できません。それでも何とかパターンができている人もいますが、かなり歯に負担がかかります。

そして、治療のときには、歯を物理的に治すことで(構造的に整える)、適切な角度を設定し、初めはそれを歯が接触することにより神経系を通してモニターし、学習していきます(脳が)(あるいは、学習させます)。ですから、この段階では、犬歯は物理的に誘導しています。その間に、適切な角度も確認していきます。そして、適切な角度を脳が記憶し(学習)、チューイング・パターンが確立されたら、生理的な噛み合わせが確立した、ということになり、それは治療咬合であり、治療咬合を確立した、ということになります。

ですから、噛み合せの治療は、“物理構造(歯牙・歯周組織・周囲組織、器官)のの改善により、チューイング・サイクルを確立すること”と言えます。

ですから、歯を入れただけ(構造を物理的に変えただけ)では、本当の治療になっていません。その証拠に、新しく歯が入ると、問題なくても違和感や、高い感じがしていても、時間とともに違和感がなくなるということがあります。感覚が関係ないなら(脳が角度、かたち、硬さなどを学習すること)、入れたその場で違和感がなく(患者さんの自覚では、そういうことも多いですが脳は感知し、筋肉は反応しています)、スムーズに噛めるはずです。

物理構造より感覚(神経系)が優位です。

精神的症状について-その4-3

また、噛む角度を学習させる間、歯牙がセンサーとして接触して角度の情報を脳に送るのですが、このとき、犬歯が感覚的に最も敏感で、てこの原理から視点から遠いので(奥歯は近いので前歯の9倍かかる)、負担がかからないし、さらに、犬歯の根は太くて長いです。

以上のことから、犬歯による臼歯離開咬合が理論的に理想咬合となるでしょう。そして、治療咬合は、可能なら、人為的に作るので、できるだけ理想的なほうが安全でしょう。ですが、絶対ではありません。前回の説明のように、正常値ではなく、各個人の生理的許容範囲が重要なので、あくまでその基準としての咬合様式で、実際は、あらゆる要素から判断し決定していくものです。

その5に続きます

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