桜通り歯科コラム
噛み合わせ最前線

精神的症状について-その5

その4の続きです

咬合の許容範囲は20~30μ(ミクロン)について書きます。

噛み合わせは、前回までに説明したように、全ての人に共通した数字的な正常値はなく、各個人の生理的許容範囲内で、機能し、長期的に安定すればいいのですが、生理的な咬合状態と、その長期安定のためには、その範囲内で、物理的構造としては、ミクロン(μ)単位で確立され、感覚(神経)と調和していなければなりません。特に治療咬合を与える場合には、人為的に治療として確立しなければなりません。

全ての構造がミクロン単位と言うわけではありません。筋肉や歯茎などは弾力性があるものですし、骨もミクロン単位で重要と言うわけではないですが、全ての顎口腔系の器官が、物理的、感覚的に安定し維持するためには歯牙が最も重要です。簡単に言うと、筋も骨も、歯茎も、歯が適切に噛んでいる事で、その位置、状態を維持できるのです。そしてその歯の感覚はミクロン単位で感知します。ですから、最終的に噛み合せ、咀嚼器官は、ミクロン単位と言えます。

例えば、噛み合せの治療と称して、ミリ単位で歯を削って治していると、引っかかりや悪い要素はなくなる部分があるので、悪い症状が一時的に消えたり、症状の一部が改善されることはあっても、あるいはたまたまそれでちょうど良かった、ということがあっても、厳密には治っていないか、治せる確率が低くなります。

Dr Amsterdamによると、1ミクロンの歯の変化を、一度歯が接触するだけで脳が感知しているようです。実際そうです。1箇所、数ミクロン修正し、1度噛むだけで神経を経由し、脳を経由し、多くの筋(最大136個)に反応が出ます。これを応用したのが、テスト・セラピーとしての神経学的コントロールです。(以前説明したことがある)

ですが、これにも許容範囲があります。それが、20~30μと言われています。

これは、歯は骨と、歯根膜と言う靭帯でつながっていて、これがクッションの役割をしているのですが、その許容範囲、あるいは簡単に言うと、正常な歯を揺らしてみて、正常な状態で揺れる量が、20~30μです。それ以内なら有害な力にならず、それ以上なら(自然に揺れる量を超えているので)、歯茎や骨が下がったり、歯根膜が炎症を起こしたり、何らかの異常が起こる可能性が高いということです。

また、インプラントは、歯根膜がありません。骨と接着していて、まったく動きません。ですから、強く噛みしめたときに歯は少し沈みます。20~30μ。でもインプラントは沈みません。ですから、普通の歯と、インプラントの歯を同じ高さにしたら、噛みしめたときにインプラントの歯が突き出てしまいます。そのため、インプラントの歯は、通常20~30μ低く入れて、軽く噛んだときに弱いか、かすかに当たるくらいで、強く噛んで他の歯が沈んだときに同じ高さになるようにします。厳密には、各個人の歯根膜の変位量に合わせるのですが、やはり、実際の臨床では、各個人差があります。

そして、そのために重要なのが、咬合紙です。これは噛み合わせを調べるときに使う紙、あるいはセロハンです。

精神的症状について-その5-1

咬合紙の厚みが重要です。いくつもの厚みの咬合紙があるのですが、例えば、50μや80μの咬合紙があるのですが、それで噛み合わせを調べたら?噛み合せの許容範囲が20~30μなので、それはどうでしょう?

50μの咬合紙で噛んで、噛んでいても、30μ低かったら? 20μ低かったら? それはほとんど分かりません。逆に、20μ低いときに、16μの咬合紙を噛ませたら、すり抜けます。でも50μなら噛んでしまいます。高い場合は周りと比較して、周りの歯に咬合紙を入れてみて噛んでいなければ高いのですが、このときも50μ高くても周りの歯に50μの咬合紙を噛ませても噛んでしまいます。ですから、少なくとも20μの咬合紙を使えば、それがすり抜けなければ低くはないのが分かります。周りの歯が噛めば、高くても20μなので、ぎりぎり許容範囲なのが分かります。私は16μを使っています。ちょうどバランスがいいと思います。これが強いか弱いか、当たりながらすり抜けるか、当で、16μ以内の調整ができます(目で見て分かりませんが)。もっと薄いのもあるのですが、それを通常使っていると、薄すぎて(調整・確認を8μずつとか)効率が悪いです。そもそも50μから100μ、それ以上の咬合紙がなぜ存在しているか分かりません。

その6に続きます

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