桜通り歯科コラム
噛み合わせ最前線

咬合治療-その2

その1の続きです

今回は、咬合治療のなかで、顎と歯の位置について説明します。

噛み合わせが悪いということは、上下の歯の接触状態が悪い、おかしいということですが(全く接触しないなら問題ないので)、その理由を大きく分けると、

  • 歯の位置が悪い
  • 歯の形が悪い
  • その両方
この3つです。

咬合治療-その2-1

基本的には、解剖学的な歯の形がおかしいわけではないので、奇形の歯でなければ、歯の位置がおかしい場合がほとんどです。その中でも、歯の位置自体がおかしい場合と、顎の大きさ、形がおかしい場合があります。

そして、歯の位置がおかしい場合、その状態で噛んでしまうので、歯の形も削れたり、欠けたりして、悪くなっています。

咬合治療-その2-2

さらに、悪い接触状態のまま噛んで、その位置で完全に噛みあうまで、歯が削れてしまえば、顎はズレないのですが、顎関節ははずれながら動いているので、簡単に今の歯の位置で(悪い位置)かめるようにズラしてしまいます(ズレてしまいます)。

ですから、ほとんどの場合は歯の位置も形も、顎の位置も悪い状態です。

咬合治療-その2-3

そこでまず、治療に際しては、顎の位置が重要です。これがベースになるので。ですが、従来とは違い、顎の位置は、頭蓋骨の歪み、傾き、首の状態を含めて診断します。簡単にいうと、上顎も動くし、下顎の位置を判断するための、頭蓋骨も変化するということです。ですが、とにかく、顎を含めた骨格が、大枠です。そこで初めて、歯の位置が診断できます。顎がずれた位置で歯の位置関係を見ても全く意味がないということです(今現在どのように噛んでいるかや、どのように悪くなったかなどを診る場合はさんこうになりますが)。

そして、顎と歯の位置が把握できて初めて歯の形も診断できます。

ですから、咬合治療において、まず重要なのは、顎の位置と歯の位置です。そして、それぞれの歯の状態です。

順番的にも、可能であれば、緊急処置の後に、顎の位置と歯の位置を適切な位置に戻すことが最初です。
実際的には、歯の状態に対して処置をしながら、顎と歯の位置を改善していったり、状態によって、治療の順番、進め方は様々ですが。

また、歯の位置に関しては、歯のサイズが上下で違っていたり、顎に対する大きさがあっていなかったりと、単純に順番どおりに並べばいいというわけではありません。顎の位置も、数字で測って正確にはじき出すものでもありません。これは、前回書いたように、個人の生理的許容範囲を考慮し、理論的理想値を基準に探っていくものです。そしてその時間や段階も重要です(一気にやればいいというものではありません)。

具体的には、まず、テストセラピーとして、神経学的コントロールを行います。2週間おきに3回まで、噛み合わせの悪い接触を、ミクロン単位で磨く程度調整します。これにより、噛み合わせからくる筋肉の硬直をとり、筋肉によりズラされたり歪まされていた骨を(あごの位置も)自然に戻るようにします。これは、また、歯の感覚だけを変えるので、その反応により、全身症状や不定愁訴などが、歯から来ているかどうかを確認できます。その後、最終的な診断をします。

その後、さらに筋肉の硬直が強く残っている場合は、感覚に作用するマウスピースを用いることもあります。

これで、最低限度顎の位置が改善されます。

それから、あるいは、同時に歯の位置を改善していきます。それはいわゆる矯正治療ですが、これも状態によってやりかたや、使う装置が違います。

これが、噛み合わせ治療の第一段階です。かなり大まかに説明していますが、逆に、歯自体を細かく治していくことから始めたり、そのことが治療の中心だと、顎も歯の位置も狂っているので、どんなに1本1本の歯が適切に治されていても、全体では噛み合っていないということになるか、全体で治すことが基本的にかなり難しいと思います。つまり、噛み合わせを治していることにならないということです。

咬合治療に関して、説明しましたが、どうしても抽象的というか、複雑になってしまうのですが、書いたことを簡単に言うと、“適切なあごの位置で、適切な歯の位置にならべ、適切な咬合接触関係を与える”これが根本というか、大きな枠組みです。

そして、それに付随して、あるいは、そのために、それぞれの歯や、歯周組織等の改善や、歯がないところに歯を入れたり、という局所的な治療が加わり、これら全体を、各個人の生理的許容範囲に収める。ということです。

噛み合わせが悪い場合、歯の位置が悪く、それで噛んでしまうので、あごの位置がズレ、それが徐々に進行するか、全体を無視した部分治療で助長されている場合が多いので、その逆にすればいいということです。

咬合治療-その2-4
咬合治療-その2-5
咬合治療-その2-6
咬合治療-その2-7

その3に続きます

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