桜通り歯科コラム
噛み合わせ最前線

咬合治療-その3

その2の続きです

咬合治療の中で重要な“プロヴィジョナルレストレーション”について説明します。

これは、一般的には“仮歯”と混同しているかもしれませんが、厳密には意味が違います。
英語で言うと、仮歯は、“Temporary crown:テンポラリークラウン"です。意味合い的には、歯がないままだと困るので、型を採った後に歯ができるまでの間に仮に入れておくもの、と言う感じです。歯が入っていればいい、と言う感じです、極端に言うと。ですから、作るときもその場で5分くらいでできます。
ですが、プロヴィジョナルレストレーションは、まったく違います。同じ素材で作ったとしても根本的に目的が違います。その目的は、大きく言うと、

  • 最終修復物を入れる前のシュミレーション
  • 噛み合せや周囲の歯肉の治療(改善)
です。

そのため、基本的には最終修復物と同じ形でなければなりません。実際的には治療の初期段階から使うので、最終修復物の形を目指しながら、治療の各段階に合わせて修正したり、プロヴィによって治療(改善)していきます。

μ単位の構造物をぶっつけ本番でいきなり入れられないですし、顎も歯の位置も狂っている状態で初めから適切なかたちで入れることも不可能なので、プロヴィを使い、しかもそれを即時重合レジンで作ります。レジンで作ることにより、自由に足したり削ったりできますし、噛み合せや何かに問題が合ったときにプロヴィが割れたり削れたりはずれたりすることで歯を守り、そして診断にもなります。簡単に言うと、かけたりはずれたりする材質のプロヴィで、欠けたりはずれたりせず安定して噛める、と言う状態で初めて問題ないと判断でき、それを基に最終修復物をつくれば、より確実なものができるということです。
治る、ということで言ったら、最終修復物を入れる前にプロヴィの段階で治っているという状態です。その後にただ、修復物の材質を変えるというだけです。

また、時々あるのが、プロヴィだから簡単にはずれる、と思っていたり、プロヴィをただの仮歯と勘違いして、適当に噛んだり。安定していれば、プロヴィでも日常はずれないですし、多少の制限はありますが(スルメ、フランスパン、ガムはダメ)、ちょくちょくはずれるのは、噛み方やどこかに異常があるからです。ですから、ちょくちょくはずれていたプロヴィが急に安定してはずれなくなったり、ということがあります(そうあるべきですが)。これらのことで試したり、確認、診断しているので、わざと壊れやすくはずれやすい歯を入れていると言うことではないのです。

その4に続きます

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